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第1章 社会保障制度の概説
2.公保険と私保険
 (2)公保険と私保険の関係

 公保険と私保険の関係をみると、わが国の場合は、国民皆年金・皆保険体制が確立されていることにより公保険である社会保険が基本的な部分をカバーし、私保険である民間保険がそれを補完している。 例えば、老後保障としての年金をみると、社会保険である国民年金や厚生年金などの公的年金制度により生活の基本部分をカバーし、民間保険である個人年金や企業年金などがそれを補完している。
 公保険に対する私保険の役割としては、【図表1-2-2】に示したように、①公保険の給付水準に上乗せする「上乗せ機能」と、②公保険がカバーしていない部分の給付を行う「横出し機能」の2つに分けることができる。
 例えば、医療保障では、「上乗せ機能」によって、私保険が公的医療保険の自己負担分等を補完し、「横出し機能」によって公的医療保険の給付対象外の医療費・手術費等をカバーしている。このように公保険と私保険の関係は国の政策とも大きく関連している。アメリカのように国民全体をカバーする公的医療保険制度が存在しない国では、民間医療保険が発達しているのは当然のことといえるだろう。
 なお、海外勤務者とその家族に対する民間保険の活用については、後述することとしたい。

【図表1-2-2 公保険と私保険の関係】

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